痴女に遭遇した思い出

高校時代の記憶がまるでない。

自分だけではなく多分、同級生達も自分の事は覚えていないだろう。

虚ろな目で暗く沈んだ顔をしていたと思う。(今もだが)

 

じゃあ、何をしてたのかというとゲームだ。ゲーム大好きだった。

ひたすらゲーム、PSやサターンを夢中になってやっていた。

(moonというゲームが特に好きでプレイしてたのをよく覚えてる)

日曜日には2000円くらいを握りしめ、一人、パジャマみたいな格好でチャリでゲーセンに行きサムライスピリッツやバーチャ2とか格ゲーを主にやっていた。

そのゲーセンは少々いかがわしさが漂っていて照明が少し暗く、カプセルに入った「女性物のいやらしいパンツ」を取るUFOキャッチャー等もあり、キョロキョロ辺りを伺いながら二、三回いや七、八回はチャレンジした記憶がある。

(結局取れなかった)

腹が減ったら自販機のハンバーガー(めちゃくちゃ熱い)をふうふう言いながら食べていた。

そんな感じで日曜日を楽しみに生きていた。楽しかった日曜日。

 

それくらいの記憶しかないと思っていた。

 

しかし一つだけあった。

 

忘れもしない

"痴女"に電車で痴漢されたのだ。

 

これを読んでる方は痴女と聞いてどういう人をイメージするだろうか?

エロサイトとかで"痴女"で検索すると、大体、熟女系のものが多いと思う。

俺もそう思ってた。

 

しかし、この時は違った。

 

ピチッピチッと

何か新鮮な魚が跳ねる音がして振り返ると二人組のJKが俺の尻に尻を押し当ててきたのだ。

 

最初、満員電車なので"偶然"当たってると思っていた。

でも尻の押し具合半端ないし、え、え、え、って???で頭いっぱいの時に後ろの

JK達が何やら囁き合って笑っている。

耳をすますと

 

「困ってる困ってるw」

 

状況が一瞬で理解できた。

つまり彼女達は獲物を探してた。

それも「ダサめで気の弱そうな童貞男」

 

こんな感じのターゲット選定だろう。

 

彼女達にこう言いたかった。「正解!」

 

いや、しかしガンガン尻を押し当ててくるなあ。

柔らかい。至福の時だ。

 

その内、変な欲が出てきて

「もっと嫌がる素振りをした方が彼女達は喜ぶかもしれない」

 

という妄想が湧いた。

我ながら変態発想

痴女vs変態のバトルの始まりである。

 

ちょっと尻を引いてみた。

 

すると案の定、彼女達の「狩り」意欲が刺激されたのか、二つの尻が俺の尻を追ってきてさっきよりもグイグイきた。

GOOD

 

それでもう最高だったのにまた更に欲がでて調子に乗ってもう少し引いてみた。

 

あれ?

 

尻こない

 

「これ以上やるとかわいそうだよ」

彼女達はそう言って次の駅で降りていった。

 

「やりすぎた!」

目の前が真っ暗になり巨大なGAMEOVERの文字がドーンと下りた。

 

それ以来、毎日同じ時間の同じ車両に乗り続けたのだが

彼女達を見る事は二度となかった。

 

「チャンスは二度ねえ」

どっかの漫画で見た台詞の意味をその時に学んだのである。

 

終わり