NSC初の手見せ そして新たな出会い 西成5

Sはちょいと濃いめで背が高い山田孝之に似てる。男前だ。

Sは色々と遊びを教えてくれた。

健全なものからいかがわしいものまで幅広く、前に書いたテレクラ記事の"友人"はSの事だ。

http://hauto3.hatenablog.com/entry/2017/10/27/012734 参照

徳島から出てきたパンクス、財布にはいつも鎖が付いていた。

最初見た時、トゲトゲの皮ジャンを着ていたが同じクラスに Sより"強め"のモヒカンでバリバリのパンクロッカーが居たため、Sはトゲトゲ皮ジャン着るのをいきなりやめた。「被ったらあかんからな」

何も言ってないのに勝手に弁明していた。

 

Sと別れた後、なぜかやる気MAXだ。

良い刺激を受けたのだろう。

家に帰り早速ネタにとりかかる。

「なんでもええわ頭に思いついた事で。」

発声でめちゃくちゃ怒られて開き直っていたのかもしれない。

あれより"酷い"事はもう起こらないだろうと。

うーむ。何しよう。

なんとなく

 

中学の頃、スキンヘッドの体育教師が居て陸上部の顧問で男子には厳しく"女子"には優しい典型的なムカつく野郎の事を思い出した。

気に入った女子には個人的に呼び出して特別な指導をしてると噂も立っていた。

 

ネタができた。

「体育教師が突然裸で学校に来た生徒を

生徒指導室で指導する」

 

椅子に座りジャージに笛、腕組み

「あのさあ…何から注意すれば良いのか…先生正直わからんわ…いったいお前に何があったんや」

導入部分はこんな感じで

「お前の事を英語で言うとTHE スッポンポン is keep walking on the groundやわ」

という自分なりにウケそうなメインディッシュも出来た。意味不明で文法めちゃくちゃだけど、そのフレーズを気に入ってた。

 

マンションの狭いワンルーム

「the スッポンポン is keep walking on the  ground」を二百回くらい繰り返し練習した。噛まなくなるまで。

 

いざ、手見せ。

手見せをする人間はホワイトボードに名前を書く。

ヒラ3と書いた瞬間少し後悔した。

ドキドキする。

自分の番がきた。前に立つ。

見られてる。そこには目がたくさんあった。魚群みたいに見えた。

 

開き直って、めちゃくちゃ大きい声でやった。ウケるとかどうでもいいまくし立てた。

the スッポンポン is keep walking on the ground を噛まずに言えた。

それだけでも良しとした。無事やり終えた。怒られるのを覚悟

 

先生が「うんうんうん、もうちょい練ったら形にはなるかもな、まあもっと頑張って」

 

あれ?意外に肯定的?

まあ良かった。

授業終わりSに「やっぱ変やったで」と言われた。

清々しい気分で帰った。

西成なのに景色がいつもと違い色鮮やかに感じた。

 

次の日も手見せ、

昨日やったからとりあえず今日はやらずに、みんなのネタ見に行こうと思ってマンションのエレベーターを降りた。階段から誰か降りてくる。

 

瞬間、ハッとなった。

向こうもビックリしてた。

 

Nとの出会い。

彼もNSC生、しかも同じクラスの。

同じマンションだったのかよ。

どんな偶然なんだ。

 

 

続く