I君 バイト開始 Oさん 西成9

N 「そういえばさーヒラ3君、最近NSC来てないよな?なんでなん?」

「うん、、ネタが思いつかんのよ」

ネタが浮かばないし、女の子との電話に夢中になって毎月68000円くらい使ってると"正確"には言えなかった。

N 「そっかーそういえばこの前、I君めっちゃ面白かったよ。」

「まじ?見たかった〜」

I君は大学を卒業してNSCに入ってきたみんなより少し歳上のピンでやってる人だ。兵庫の実家から通っている。

面接の時に衝撃を受けた。

 

"タオルの人"の後にI君は手を挙げた。

面接官「他に質問ある人居ます?はい君どうぞ」

I君「〇〇新聞の記事を読んだのですが、この会社って特定の芸人を優遇してるって本当ですか?」

面接官「いや、その記事読んでないからちょっとわからないけど」

I君「そんな事が許されるのはこの世でウッチャンと僕だけですよ!」

面接官「いや、しらんがな」

 

I君のネタはぬいぐるみを二つ手に持ち

「ピッチー&ジェイムス」と名付け、

風呂場で爺さんがぬいぐるみ同士を散々語らせて意気投合した後

片方のぬいぐるみがもう片方のぬいぐるみに風呂桶を被せてから風呂に沈めるというものだった。

 

めちゃくちゃ面白い人だ。

 

I君の新ネタ見たいなあ。見に行きたい。

 

N「そういえば今度の選抜俺選ばれたわ。」

「まじ?凄いやんおめでとう」

 

ドンドン置いていかれる。

自分は何をしてるんだろう。

 

面接の日、Nが話してくれたおかげで

店長が好意的に迎えてくれ、即採用になった。

店長「ヒラ3君わからない事あったらOに聞いてな?」

O?

店長「おーいO!ちょっとこっちきて」

Oさんが来た。

 

Oさんは劇団に所属していた。

ジェームズディーンを崇拝しており

家の散らかった4畳半にはジェームズディーンの絵がかけられていた。

山口県の島出身で

自分の島の事を「あれは盗賊の島だからね」とニコニコしながら言っていた。

 

O「ヒラ3君ていうの?N君から聞いてるよ!よろしくね!!!」

声が大きいな

O「じゃあ〜早速発声練習いこう。いらっしゃいませー!!!」

いらっしゃいませー

O「声小さいなそれでも芸人目指してるの?もう一回いくよー」

久しく発声練習もしてなかったな。

たった1カ月前怒られた事が遠い昔のようだ。

 

明日NSCに行こう。

 

 

続く