数日後、ぷくから手紙が届いた。
まずビックリしたのが字の綺麗さ。
そして内容も素晴らしかった。
手紙待ってるね。と書かれていた。
プリクラも入っていて
ぷく!という感じだった。
ヤバイ。女の子に手紙なんか書いた事ない。
ぷく「手紙届いた?」
「うん」
ぷく「良かった〜プリクラも急いで撮ったんだよ友達にお願いして」
「見たよ」
ぷく「〇〇ちゃん(ヒラ3)からの手紙楽しみに待ってるね〜」
どうしよう…
悩んでても仕方ないのでNSCに行った。
御堂筋線で難波まで行く。
難波についたら5分くらい歩いて教室に着く。
みんなのネタを見る
N岡くんとK戸くんのコンビ上達してるな〜PえとN川のコンビも面白い。SもI君もNもピンネタで爆笑した。
自分が悩んでるのはネタではなく"女の子への手紙"の事。
授業終わりにSに「家くる?」と言われSの家に寄った。
Sの家は生野区にあった。
部屋にはベッドしか置いていない。
綾波レイみたいな部屋だな。
なんというストイックな奴なんだ。
ネタが浮かばないという話を切り出した。
Sはガバガバタバコを吸っていた。
S「ネタやらんの?もったいないで」
高く買ってくれてたのかな?
「まじで?」
と言ったら
S「いや、違うねんヒラ3君の事じゃなくてお金払ったやろ学校?」
「うん」
S「そしたらもったいないやん。やりたい事をやりまくっていい場所を買ったのにって事」
「せやな」
S「適当に思いついた事でもドンドン試したらええねん。完成してなくても良いねん。ナルシストやねんな〜ヒラ3君は」
ナルシスト…ナルシストなのかもしれない
「たしかに」
そう言って別れた。
Sの言葉に触発されて、パワーがみなぎってきた。
ネタじゃなくて
ぷくへの手紙へのパワーだ。
汚くても良い、文章めちゃくちゃでも気持ちさえこもってれば良い。
ダイソーでレターセットを買って帰り
部屋で思いのたけをぷくにぶちまけた。
そして夜中にポストに投函して寝た。
よっしゃあ!という感じで。
数日後、ぷくから電話があった。
「手紙着いた〜?」と聞くと
ぷく「着いたけどさ〜中身何にもないんだけど 笑」
「は?」と言って部屋を見ると、細かな字で書き殴った紙が片隅にあった。
ぷく「お笑い目指してるって言ってたからネタなのかな〜って。妹と話し合ってたんだよ」
「ネタやねん」
全然ネタじゃない…
手紙を今度はちゃんと入れてぷくに送った。
ぷく「やっと手紙きたよ〜文字小さくて読めなかったから虫メガネ使ってよんでたの。ありがとうね」
明らかに"汚い".字だったのに"小さい"に切り替えてしかも、"虫メガネ"という
笑いに変えようとしてくれた。
ありがとう。
ぷく「言いたい事も伝わってきたよ。そんなに私の事好きなんだね。
そういえば最近、タトゥー彫ったんだよ」
「タトゥー?」
ぷく「狼のタトゥー入れたの。強く生きるって。だから私、バスの予約したよ。来週行くから」
来週???
続く