同窓会

1月3日

中学の同窓会の日だった。

十何年ぶりに集う日。

朝方、東京に住んでる旧友からLINEがきていた。

「ちょっと遅れるわ。先に行っといて」

三重に来たのか。俺は行くと思ってるのだろう。

 

"なんとなく"行きたくなかったのでそれには返事を返さず電車に乗って将棋大会に向かった。いつもの道場だ。

 

将棋道場に着くとたくさんの人たちが盤を挟んで夢中に考えていた。

楽しそうだ。

大会開始時刻は13時からだったけど少し遅れて13時半くらいに着いた。

まあ遅れても大丈夫で参加出来ると思ってた。席主は優しいお爺さんだ。

 

お爺さんはチラリと俺を見るなり、まるで無視するかのようにせわしなく対局が終わった人の次の対戦相手を呼んだりしている。忙しそうだ。

 

また旧友からLINEがくる。

写真が送られてきた。

 

「誰やねん」

「〇〇やわ。はよ来い」

 

そこで、多分俺は対局していたら行かなかったと思う。

いつもの優しいお爺さんの態度が何かおかしいのもあって、これは同窓会に行く事が"あらかじめ運命的に設定"されてるんじゃないのか?とかヤバイ事思いながら

 

同窓会に行く事にした。

 

一次会は終了して、30人くらい居た人たちが10人くらいになってると

LINEがきた。

 

「はよ来て"ヒラ3待ち"みたいになってるわ」

 

目を疑った。はあ?中学の時、地味で地味で死ぬほどモテなかった俺待ち???ふざけんな。

 

着くと、みんな居た。男10人女10人くらい居る。

謎の拍手をされた。

みんな老けたなあ。

「どういうこと?」

 

と、隣のOに聞くと

 

O「はあ???覚えてないの???ヒラ3が5年前に三重に帰ってきた時、俺に同窓会やってくれ。って言ってきたんやろうが!なんで来ないねん!」

怒られた。

知らない。覚えてない。

こいつ嘘ついてる、しかし半信半疑だ。

 

「"やってくれ"とは言ってないんじゃないのかな?同窓会ないの?って聞いただけでは?」

 

O「いや、ハッキリ言ってたよ。そっから俺ら動いたんよ。ハガキ作って書いて配って」

 

知らなかった。

 

こういう事は昔からよくあったので本当なんだろうと思った。

なんとなく面白いだろうなと思う事を口に出すと俺の知らない所で事が進んでるのだ。

 

「ごめん」と謝ったらなぜかみんなに爆笑されてムカついた。

 

その後、女子軍団はなぜか帰り、野郎だけになって飲みに行った。

つまんねえなおい!と思ったけど

 

家族とか子供とかの写真見たらめちゃくちゃ可愛かったし

中学のとき好きだった女子ランキングとかでめちゃくちゃ盛り上がって、結果的に良かった。

 

中学の時、好きだった「〇〇さんに会いたいなあ」とみんなに呟いておいたので、

 

多分、次に会えるだろうな。