悪夢

とぐろ巻いた建物に集められた。

黄金色のマンションだ。

各地域予選を勝ち抜いた選手3000人がそれぞれ便器しかない部屋に入る。

俺は選ばれたのだ。

 

うんこレースは21時スタート

各便器からGPSを付けた便が下水道を通り、一番早く下水処理場に着いたら勝ちというシンプルなルールだ。

優勝者は8億。

 

 

時刻は20時48分

 

俺は焦っていた。

"出る気配"がまるでないのだ。

 

20時53分、時が迫っている。

 

「やばい…思い切って下剤を使うか…」

あらかじめ用意していた、

"切り札"と書かれた巾着の中からミサイル型の超効きそうな下剤「ブリリアントブリーン」を取り出した。

 

「しかし…ドーピングかこれ?」

 

迷いながらも「出ないよりもマシだろ」と思い、えい!と飲み込んだ。

 

飲んだ瞬間すぐに便意が超速でやってきた。

ブリブリブリリアントブリ!!!

と鳴る放屁を吹かしながら急いで便器に駆け込んだ。

 

うんこレースで敵を出し抜くには

"硬さ"と"小ささ"が重要だ。

 

硬さと小ささが例えばBB弾みたいなサイズだとめちゃくちゃ早い。

 

予選はそのBB弾サイズで勝ち抜いてきた。

「近畿のガス銃」と異名を持ち恐れられていたのだ。

 

「BB弾でろBB弾でろ」

と天井を見ながら願った。

 

その瞬間、ブリブリブリブリリちょっと!ブリリリリリ止まらない!!!

おいおいおい!止まれよ!ブリリリリリリドバーーーーン!!!

 

最後、波動砲みたいな音がして

 

便器いっぱいの大きさの柔らかそうな大便が出た。

 

だめだ。これじゃ勝てない…

 

20時59分

 

やむを得ない不戦敗よりマシだ…その柔らかくてでかい便にGPSチップを押し込んだ。

 

21時00 うんこレーススタート!!!

 

いっけえええええええええ

俺は思い切り"大"の流すを押した。

 

水流グルグルグルグルグルグル

 

いっけえええええええ

 

詰まってる!!!足で蹴りまくって押し込んだ。

 

なんとか流れてくれた…

あとは見守るのみ

 

部屋にあるテレビをつけた。

アナウンサーが絶叫してうんこレースの開催を知らせていた。

各部屋から名前が書かれてたうんこがリアルタイムで画面に表示されている。

「さあ!誰のうんこが8億を取るのか!!!!!!」

 

オレはテレビの前で拳を振り上げて自分の糞を応援した!!!

 

なんとデカイながらも自分の糞は2586個のうんこの先頭に立っていた。

(414個のうんこは棄権らしい)

 

先行して逃げ切れ!!!

 

下水道の映像がテレビに流れている。

 

オレの糞が先頭集団にいた。

 

オリンピックのマラソンを見ると大体、先頭集団しか映していない。

 

すごく誇らしい気分になった。

 

しかし、オレの糞が横に逸れだしている!

 

実況「あーっと一位だった柔らかくてデカイ糞が逸れているぅー!!!!」

 

誰がデカ糞だ馬鹿野郎!

 

その内、逸れて下水道の横にオレの糞はへばりついた。

 

終わった…8億ゲットならず…

 

次々に色々な型をした糞が俺の糞を抜いていく光景をボーゼンと見ていると

 

実況が「あーっと、肉食系清純派女優の深ノンこと深林琴乃のデカイ巻き糞も逸れているーっっ!!!」

 

えっ!!!大好きな深ノンも参加していたのか!!!

 

テレビカメラが深ノンのデカイうんこを

アップで追っていくと

 

俺のへばりついたうんこの方に寄ってきてるではないか!!!

 

うおおおお!!!

俺は静かに超勃起していた。

 

映像でしばらく見ていると

深ノンのデカイ糞が俺の糞を"優しく包み込む"ように巻いて

 

一つになった。

 

オレはこの瞬間、頭が気持ちよくなりすぎて訳がわからなくなった。

ウビャサラマかはワピー♪♪みたいな事を呟きながら下腹部にとめどなく押し寄せる快感に身を委ねていた。

 

その瞬間、

 

黒々とした丸くてデカイ糞が、

超光速で深ノンとオレの"結晶"を蹂躙して粉々に粉砕しながら音速のスピードで突き進んでいった。

 

実況「あーっと元ヘビー級世界チャンピオンのマイケルダイソンの糞が猛烈なスピードで後方からきたーー」

 

結果、マイケルダイソンの糞が優勝をして幕を閉じた。

 

その瞬間、オレの身体は

宙に浮いた。

 

どこかで見た事がある。

ドラゴンボールフリーザクリリンを殺す前にするやつだ!!!

 

アルフレッド・ヒッチコックっー!!!」

 

爆発した瞬間

とんでもない金縛りにあい目覚めた。