無口だった

今では少しは喋るようにはなったけど昔は本当に喋るのが苦手で頭の中がモヤモヤモヤモヤしていた。

言葉が浮かんでこないのだ。

誰かとどこかで二人きりになったらもう大変だ。何話して良いのかまるでわからない。緊張して顔真っ赤になって鼻血まで出したりした。

「顔赤いよ」と指摘され更に顔が赤くなる始末だ。

で、自分自身でも無口で良いと思っていた。

そこは相手に任せようと、そこはもう無理なんだ自分には、とかずっと悩んでいた。

相手の言葉に対応して"受け身"で対応すれば馬鹿にされる事は無いなと、

自ら話すと大抵笑われたり馬鹿にされたりしてきた。

それならば、対応型で生きれば良いではないか。

そうすれば居心地が良く生活出来るじゃない。

ずっとそう思って生きてきた。

人に対しては「察してくれ」と思っていた。察しない奴は馬鹿だなと本気で思ってた。今は喋りかけんなよと。察しろよ!空気読めないのか?

最低だった。

 

月日が経ちそんな自分が心底嫌になった。そのきっかけは"本"を読みまくったり映画を見まくったりしたからだと思う。当時無職だったからそうやって言葉を知った。

言葉を知って辿々しくはあるが相手に伝えれるようになってきたように思える。

すると相手の理解力不足では無く自分の説明不足だった事がだんだんわかってきた。

他人の頭の中はわからない。

わからないけど、いやわからないからこそ自分が出来る精一杯で伝える必要があるのではないか?

 

そうしないと相手に気を遣わせてしまうじゃないか!

 

今の俺は昔よりは作文も書けるしこういう感じでブログも書ける。

察してくれなんて言う傲慢な自分はもう居ない。

精一杯、うるさいなと思われるくらい話したいと思っている。

そうじゃないと人間に生まれてきた意味は無いではないか。