NSC入学後、西成

http://hauto3.hatenablog.com/entry/2018/11/18/025818

NSC面接時の記事の続き

 

NSCに入り大阪の西成に住みはじめた。

田舎者の自分は"西成"がどういう場所か全くわからなかった。とりあえず安い所で決めたのだ。

地下鉄の駅側のビルの5階。1階はお好み焼き屋と飲み屋と喫茶店がある。

ごちゃごちゃしてる場所だ。

家賃は35000 ワンルーム風呂トイレ付。

そういえばNSCの人達と最初話すのは大体家賃の話から始まり地方の名産品の話が主だった。(四国とか中国地方から来てる人も多かった)

挨拶のついで話のようなものだったのだろう。

 

引っ越しして初の一人暮らし、地元で貯めたお金は三か月は何もしなくても大丈夫。バイトを急いで探す必要なし。NSCの授業は大体週4くらいでしかも午前の2、3時間で終わる。

 

暇だ。やる事がない。

もちろん友達もいない。

 

とりあえず街を歩いてみた。

やっぱ人がたくさんいるなあ。自転車もめちゃくちゃ多かった。チリンチリンとあちこちで鳴っている。

しかし、この街はなんだか…

周りを見渡すと

全体的にグレー、灰色だ。

色彩豊かな街とはとても言えない。

必要不可欠な物しか街に置いてないという感じだ。ファッション要素0

良く言えばミニマリスト的な。

 

しばらく歩いてるとギョッとした。

 

人が地面に寝ている。最初、死んでると思った。

 

よく見ると死体ではなく動いてる。

 

初めてホームレスの人を見た。

 

その側をみんな普通に歩いている。

 

なんかとんでもない所に来たような気がした。

 

けれど、しばらくするとそういった光景にも慣れてきて何も思わなくなった。

 

NSCの授業はというと発声とネタ見せが主だ。

地方からコンビでやってきた人達はネタを披露している。

しかし、それはごく僅かで大体の人はピンで地方からやってきてた。

 

地方のピン軍団を前に先生は言った。

先生「お前ら一回茶しばきにいけや

 

意味がわからないけど多分喫茶店に行って話してコンビ組めって事なのだろう。

 

言われた通り

地方から出てきた人達が近くの喫茶店にぞろぞろと入る、純喫茶でそんな広くない。

 

パンパンだ。椅子無くて立ってる人もいた。

 

みんな、適当に横に居る人と話し始めた。「〇〇と言います。〇〇県からきて〜」とかあちこちで聞こえる。

自分は誰とも喋ってなかった。

やばいやばい孤立すると思った。

 

その時に突然横から全然知らない人が

野太い声で「コンビ組もうや」と言ってきた。

 

びっくりして「え?」と聞き直すと

 

もう一度「コンビ組もうや」と彼は言った。風貌は野生児と言うと相応しい。

無精髭に髪も雑に伸ばしてる。

 

え?誰?ちょっと待ってはやない?

自己紹介とかないのかよ。ナンパか。

 

俺は「ちょっと待って、話してから決めようや」と言った。

 

彼は「せやな。まあとりあえず出ようや。俺の家で話そう」

 

強引な奴だなあと思った。

誰でもええんかこいつは。

全然、俺の事知らんやろ。

 

しかし圧力に負けて「わかった」と言って二人で喫茶店を出た。

 

彼は自転車に乗り、荷台を指差して

「乗りや」

と言った。二人乗り…

 

言われたままに乗るといきなり

「ヒャッホーーーー」

と飛ばし始めた。

 

あかん。こいつやばい奴や。

明らかに何らかの影響をモロに受けて主人公になりきっている。

キッズリターンかよ。

茶店に戻りたい。ああ、もっと色んな人と話したかった。後悔した。

 

そいつの家に着いた。

 

狭い。

 

ようやく、お互いに自己紹介をした。

彼はYという。高知から出てきたらしい。

小一時間くらい話して

"とりあえず"一回組んでみてダメなら、すぐ解散するという事になった。

 

帰りぎわ彼は「あ、ネタ作っといて」

と言った。

 

ネタ???ネタって何?やばい、どうする…困った事になったな…と思いながら

西成に帰った。

 

 

続く