川下の石

川下の石は丸い

 

丸い石だらけだ。

川上から流れていく過程で摩擦があり

削られていったのだろう。

 

丸い石同士が話し合う

「お互い丸くなったよね〜」

みんなニコニコしている。

居心地が良い。楽だ。

一緒というのは。

 

一緒、一緒、一緒?

 

一緒がなぜ良いのかというと

お互いに傷つけなくなってるからだ。

差別のない世界

 

しかし、何かを失った気がする。

 

最初の石はそれぞれ違った形をしていたはずだ。

それが、川の流れによる時間経過と共に同じような形になった。

 

その過程で悪い部分が削られるというのは良い事だと思う。

しかし、本当は悪い部分じゃないのに削られてる部分もあるんじゃないの?

本当はめちゃくちゃ良い部分なのに周りの圧力によって削られてる部分があるかもしれない。

確かめたい。

 

確かめたい丸い石は言う。

「もう一回遡ろうと思う」

周りが止める

「えー???一緒に楽しくやろうよ」

「俺らを見捨てる気か?」

「勝手にやってろ馬鹿」

「そんな人だと思わなかった」

「ユーア クレイジー

 

彼は言う

「わかったんじゃない思い出したんだ」

 

 

川を遡る

シャケが川を遡るのはどれだけの労力が必要なのだろう。

けれど行かなきゃ

 

続く