5年後8

高速バスはあまり乗り心地の良いものとは言えなかった。

夜9時から乗って着くのは7時くらい。

約10時間。トイレはある。

それでも2人座席ではなく一つ一つが分離してる座席プラス人も少ないという事でまあまあ快適に過ごせた。

トイレもある。いつのまにかリクライニング最大まで倒して眠っていた。

途中休憩を何回か挟んで朝方の光を浴びながらようやく福島に着いた。

 

高速のインターみたいな場所に降ろされてバスは去っていった。

 

周りを見渡すと山、山、山だ。

ぷくにメールした。

もう着くよ〜と返ってきた。

何月だったか忘れたがとにかく寒い。

一人高速のインターで待っているとぷくの車が迎えに来てくれた。

 

ドアを開けるとぷくはニヤニヤしてるけど無言だ。

なんとなく「なんやねん」というと

「別にwなんでこんな朝来るの?早く乗ってよ」

となぜか怒られた。

車が走り出す、二人とも無言だ。

初めて会った時に乗った大阪の地下鉄を思い出した。

トンネルをくぐりぷくの家に着いた。

山の中にある家だなと思った。

家族の人達に挨拶しないとな。

緊張してきてカバンの中に入ってる菓子折りを確認した。

 

 

作家学校はと言うと先生にはめちゃくちゃ怒られる毎日だった。

多分それは今だからこそいうと

内容の事以上に"話し方"とか"書き方"とかを含めた"伝え方"の事だろうと思っている。

プロを目指す以上相手に正確に伝えようとしなければならないのだ。

そんなつもりはなかったけど意識していなかったつまり怠っていたなと。

そこを見抜かれていた。

「おまえは人を舐めている」

 

口を酸っぱくして何回も言われていた。

その通りだった。さすがプロだ。

プロめ。

 

作家学校には面白い奴が居た。

彼の凄さは二、三日でわかった。

彼は今東京で活躍している。

やっぱりなと思うと同時に自分じゃなかったという悔しさもある。

 

あとその学校で好きな人ができた。

 

何しに来たんだよ?俺

 

 

続く