作家学校に入ってなんとなく悶々とした日々を過ごす内、作家学校仲間とライブをしたいという事を話すようになった。
ライブ?演者はどうする?
いつも集まる難波の王将で話し合っていた。芸人で快く引き受けてくれる人材を誰も持っていない。何もない。
ただやりたいという熱意だけはあった。
Wが言った。
「自分達で出ましょうよ」
決まった。小屋は日本橋にある小さなライブハウスを借りるという事になった。
さあ企画会議だ。
何をする?
西成の区民館ある小さな小さな安い部屋を借りて仲間4人で話し合った。
「はさみ」「お面」あとは何か忘れたが、三本くらいコントと企画が決まった。
はさみは自分が考えたコントで内容は
主人公がゲームに熱中してる時に母親がハサミを借りに部屋に入ってくる。
その母親をハサミの受け渡しの仕方が逆になってて刺し殺してしまうという話だ。それ以来、主人公は"逆"という事がトラウマになり逆を過剰に意識してしまい人生の様々な場面で逆をしてしまう。
そんな感じだったと思う。
お面はWの考えたコントで一番面白かったのだけ覚えている。
ライブ当日知り合いやら友達やら呼んで
少しは席を埋める事が出来た。
今現在ゲーム配信でお世話になってるSさんにも手伝って貰ってなんとかライブを終えた。拍手をまばらでもしてもらえて嬉しかった。
最後に舞台に立って挨拶する時
一緒にやっていた仲間Tから
「新喜劇の金たまごオーディション受かりました」と言う報告があった。
全く聞いて無かったのでビックリした。
Tの本番の落ち着きようはそれが要因だったのか、、
さっきよりもっと大きな拍手が起こった。
終わった後、見に来ていた作家学校の先輩が悔しさと怒りが混じったような声で
「俺らもやるから」と言って去っていった。
彼女も見に来ていた。
「面白かったよ」
と言ってくれた。
やって良かったな、と思った。
続く