ジョン

中学2年の時に親が突然犬を買ってきた。

ホームセンターのペットショップで買ったらしい。犬種はビーグルという、その時初めて知った。

調べるとビーグルというのはうさぎを追う犬らしく小さいながらも機敏に動きまくる。

名前はホームセンターが"ミスタージョン"という名前だったからなんとなくジョンが良いのではないかという事で決まった。

ジョンは座敷犬として初めは室内で飼っていたのだが、その当時新しい家のフローリングをせわしなくガリガリしてたので親父の提案で外で飼う事になった。

それはなんだかかわいそうだなと思った。

 

最初から外で飼ってたならともかく、家から外の落差はきつい。

これは犬の気持ちとしても辛いだろうなと。けれども親父には逆らえない。

 

親父は犬小屋を作り、それ以来ジョンはその小屋で紐に繋がれ住むことになった。

僕はなるべく行ける限り散歩に連れていってあげようと思った。

けれど自分も部活やらなんやらで忙しくなり家族みんな交代でジョンの散歩に連れて行く事になった。

 

月日が経ち、

僕は実家を出る事になった。

 

遠くの地で一人暮らしをしてると、実家からの便りでたまに"ジョン"の最近の様子を知れた。

 

中学生の時に来たジョン

今やもう高齢だ。

 

ある日の便りでジョンが自分に繋がれてる紐をちぎって勢いよく道路に飛び出して車に轢かれ、たんこぶを作ったというのがあった。

 

自分はその時、新しい地での生活に必死でジョンの存在を忘れていたから

ジョンに会いたいなあ、と思った。

 

その内、ジョンが亡くなったという便りが来た。

 

実家に帰り、最後のジョンの様子を聞くと穏やかに眠ったと聞いて安心した。

 

ジョンの葬儀の時に親父が、ジョンを外に出した理由がもう一つあるといきなり白状しそれはうんちを食べていたから、というのをその時に初めて聞いた。

 

それからしばらく経ち、

ジョンの夢を見た。ジョンはパクパク何かを食べていた。

ジョンありがとう。