5年後16

勢いて大事だなあて思う。

勢いじゃないと書けない事もある、いや勢いでしかこのブログは書かないだろうなあ。

 

さて続きで当時Y (今はA)というコンビのYさんからネタを見て欲しいと言われライブ終わりに見たわけだ。

見た。

自分なりに考えた。

 

全くわからなかった。面白いのか面白くないのかさえも。

 

当然「わかりません」とは言わない。

 

何か少しでも気付いた事があれば…

Yさんの演技力に言及した。

Yさんは話に引き込む力が異常にあったからだ。まるで映画のような世界観。

板しかない舞台上に花を咲いてるような想像を見てる側にさせる。

 

Yさんにそういった事を言った気がする。

Yさんの反応は覚えていない。

笑顔だった気がする。

 

そういえば同じ頃、NHK上方演芸ホールという番組の企画を考えるという課題授業があった。

上方演芸ホールは芸人がネタを次々にやっていき、客がアンケート用紙を使って審査していくみたいな感じだ。

企画募集内容はそのアンケートに代わる面白い"客の審査方法を考える"みたいな事だったと思う。

面白い審査方法かあ。。。

面白いという事はそんな厳正にしなくて遊び心があれば良いのかなあ、

客席ポーカーというのを最初に考えた。

客席は前後左右正方形になってるから、隣りあった人同士が両方「面白い」と評価したらワンペアで1ポイント、

片方だけだと駄目、みたいなのどうだろうか?

 

先生に企画を提出した。

先生が生徒の企画を見て良さそうなアイデアを演芸ホールのディレクターに提出するみたいな事だったからだ。

「うーん」と唸る先生

一言「ややこしい」といわれた。

ただアイデアは良い方向や。と言われた。

 

言われてみればたしかに、

集計が大変だ。隣りあったワンペアを一点一点計算するのはたしかに細かかったかあ、

 

よし!もっと大きくいこう

正方形ならビンゴはどうだろう?

客席を上からのカメラで見た時に面白かった人は札を掲げ、縦一列、横一列に揃えば勝ちみたいな企画だ。

 

先生は言った「ええな」

 

そして上方演芸ホールのDにその企画を見せ、Dも乗り気になって、自分のアイデアが動き出した。

Dが直接連絡を取ってきて「打ち合わせ」をしたいと言ってきた。

NHKのディレクターが打ち合わせだとお??

そらもう作家やんけ!

ミナミのカフェで待ち合わせをした。

 

D「良いアイデアやと思いました。是非これをやりたいので台本書いて下さい」

 

台本??!

はあ?

知らんぞ、、習ってない!

この塾はひたすら発想の仕方みたいな事を繰り返してる塾だぞ!ふざけんな!

と言いたかったけど

 

「わかりました」と言ってしまった。

 

まあ家には"ワープロ"がある。

これで台本ぽく書いて、ヤマザキデイリーストアにあるFAXで送ったら楽勝やろうと楽観的に考えていた。

なんせ、あのNHKに企画が採用されたのだ。テレビに自分のアイデアが映し出されるぞ!

有頂天になっていた。

 

付き合ってたYちゃんにも言ったらめちゃくちゃ喜んでくれて二人で大騒ぎして焼肉食ってカラオケしたりした。

Yちゃんは「あなたの地元に旅行行かない?」と言った。

 

行こう行こう!二つ返事で快諾した。

 

作家としての人生がスタートしたし、心強い彼女も居る。

もう何も怖くない。無敵だ!

 

と思っていた。

 

続く

 

 

 

5年後15

凄く期間が空いたのでとりあえず書いてみる。月日が経てば経つほどいろんな事を忘れていく。

印象に残った出来事だけは覚えてるが、その他の印象に残らなかった日々の生活、それまで消えていくとすると自分は"印象に残った日々"日数で言うと、20日くらいの人生の記憶しかなくなる。

それはそれで寂しい。

「今日は牛丼屋だけ行って生姜多めにした」みたいなだけの日も覚えていたいではないか、

しかし忘れる。忘れていく。

なので今書こう、なんて決意表明をしたところで何もなくそれすらも風に吹かれていく日々の中、再びブログを書こうとした次第ではある。

 

さてその養成所の話ではあるが

自分は色々な芸人さんと関わらせて頂いた。

まず同期にNというコンビのM君が居る、彼はハナから芸人志望で作家学校養成所ではあるがネタをやっていた。

Nの初期ネタだ

決闘するコントでどちらかがパンチしたらパンチされた側が"そのパンチによって自分の人体にどういう影響を及ぼしたか"を説明するネタだ。

例えばパンチした人がパンチすると相手が

「パンチ!このパンチにより二の腕から先が動かなくなった」

と言ってまた闘いに戻る。

これがどんどんエスカレートして核爆弾までいき、最後は"完治"する流れだったと思う。

めちゃくちゃ面白い。そして衝撃的なネタだった。

M君と学校終わりに居酒屋まで行く途中、お笑いについて話したりもした。

彼には内に秘める面白い事をたくさん蓄積してるように見えた。

後にキングオブコント決勝まで出たのは納得だ。

 

ピン芸人のMさんもお世話になった方の1人だ、自分達で自主ライブやった時に

どうしても出て欲しくてお願いした。

彼に褒めて貰った記憶が今でも嬉しい。

養成所のライブで自分は映像作品を作った。タイトルは「器」

人の器の大きさを可視化出来たらどうかなあという思いから作ってみた。

例えば、上司と部下が話してる声

上司の器は日本酒のおちょこくらい

部下の器はデカい丼くらい

そのおちょことデカい丼がスクリーンには映し出されている。

上司が部下にネチネチと説教していく、すると部下の丼にチョロチョロと水が注ぎ込まれていく、

部下の器は大きいのでひたすら耐えれる余裕がある。

上司の器は余裕がないので部下がちょっと言い返したらおちょこから水が溢れ、激怒する、みたいな感じだ。

最終的にダムくらいの器の奴が現れて許容量めちゃくちゃデカいけどめちゃくちゃ言われて決壊してエンディングみたいなのを作ったと思う。

 

養成所ライブのMCがそのMさんだった。

客がざわざわしてる中、

Mさんが説明してくれた。

この作品はこういう事なんだよと。

 

俺はそう言ってくれた人は忘れたくないなと思った。

 

器のデータを動画にアップしたいがどこかにいった。

 

キングオブコント決勝といえば

AのYさんにもめちゃくちゃお世話になった。

 

当時の養成所は芸人を集めてライブをやっていて自分もそこのお手伝いをさせて頂いた時期があった。

そして、その養成所の卒業ライブにもその繋がりで芸人さんに出て頂いたりする事が可能だったのだ。

でも自分はコミュ障なため、芸人さんにはお願いせずに養成所の作家志望の人達にお願いして5年後14で話したネタをやって貰っていた。

 

 

当時はYというコンビだったYさん

に知ってもらえたのは

 

先生の企画、「答え限定大喜利」だ

 

 

大喜利の答えを予め、各自三つ固定して決めておいてそれをお題が出た時に出していくという企画だ。

 

リハでやった、自分はこの企画は力のある言葉が良いと思い「そそりたつ」「黄金」あと一つは「生い茂る」とかだと思う。

そのリハをYさんが見てくれてて自分がお題に対して「黄金!」「そそりたつ!」とか叫ぶ度にゲラゲラ笑ってくれて周りも結構ウケてた。

久しぶりに嬉しい瞬間だった。

その後、喋りかけてくれて色々な話をした。

そして自分たちのネタを見て欲しいと言われた。

 

続く

参加型配信

オンラインゲームの参加型配信というのを一年以上前からやっている。

オンラインゲームを始めたのもこの頃からだ。

その中でもAPEXは自分が一番"数"やってるゲームでさっきも夢中になって友達とやっていた。

オンラインゲームはとにかく人と喋る。

一年以上喋りまくってきた。

人と喋らなければゲームに勝利出来ないからだ。

喋らざるを得ない。

 

その話をある人にしたら

「家族よりも話してるかもしれませんねえ」

と言っていた。本当そうだよなあと思う。

更にその、よく喋るオンラインゲームを"配信"ですると、たくさんの老若男女問わず人々が参加してくれる。

色んな人とめちゃくちゃ喋るのだ。

喋ると言ってもゲームの話がメインなので非常に話しやすくコミュニケーションを自然に取ってる自分に驚くと同時に高確率で仲良くなる。

自分はコミュ障なのでこれがとても有難い。

昔は女性とコミュニケーション取ろうと電話しても何話していいのかわからずドギマギしたり沈黙が起こり、変な空気になったりした。

 

今は違う。

時代が変えてくれた参加型配信が。

ゲーム配信を通じてのコミュニケーション最高だなあと思う。

喋りたい人はオススメ

成子坂のコント

フォークダンスDE成子坂のコントをyoutubeでよく見る。

 

その一つに「彼女のお兄さん」というコントがある。

https://youtu.be/fuG_qK015xk

これだけ再生数が他に比べ高い。

その理由を自分なりに凄く使い古された表現で言うと、殿堂入りのコント教書の先頭に載るコントってやつだ。20年以上前とか関係なくめちゃくちゃ面白い。

 

しかし、成子坂を知ってる人、桶田敬太郎氏の自吐を全部聴いた人からすると異質なコントなのだ。

自吐とはフォークダンスDE成子坂というコンビの成り立ちから解散までを桶田敬太郎氏が亡くなられる三年程前からポッドキャストで大体一回につき約40分を100回以上.時間にして一年に渡り語っていくという内容だ。

これもめちゃくちゃ面白い。

笑いに興味がある方は是非お聞き頂きたい。

自吐第一回

http://web-mr.net/2016/12/21/第一回:まえおき/

この自吐の中で質問回があるのだが、そこでなぜ、自分は「彼女のお兄さん」について質問しなかったのか未だに後悔してる。

伝えたい時に伝えないと絶対後悔するよな。自分は後悔だらけだ。

 

そして先程、自吐を貼ろうと検索したら

ある方のブログで自分が知らなかった

解散後の後日談が出てきた。

https://note.com/yonpoke/n/nc4a7c5e1dc60

 

これは是非、自吐を全部聴いた後で読んでみる事をオススメする。

 

読んだ自分の感想は彼らは

ひたすら美しい人達だったと思う。

悟りとは?

悟りってなんですか?

 

ん?お釈迦様がある日突然なんか閃いたとしか、、

わからない…

昔から凄く気になっていたので色々調べた事があった。

すると

つまりこういう事らしい

 

この世は"自分に取って"重要な物ははっきりと見えるという事

 

つまり重要関数が例えば「おっぱい」なおっぱい星人みたいな人が居たとすると女性が街を歩いている時におっぱいがめちゃくちゃ見える事になる。

なぜならおっぱいが自分にとって重要だからだ。

ありとあらゆる女性のおっぱいの大きさ、形、乳首の色、固さまで知りたいと思うだろう。

で、そういう人はおっぱいが重要であるが故に「足」とか「お尻」は

 

意外と"見えていない"のである。

 

これを自分の経験から具体的に言うと

ハスラーという車、(アラレちゃんに出てくるようなポップな感じ)に凄く興味があった時期があった。

そういった時に街を走っているとハスラーがめちゃくちゃ走ってるなと感じていた。なぜなら自分はハスラーを重要視してるからだ。

車に友人が同乗してる時に

「今日めちゃくちゃハスラー走ってるよな」と言ったら友人は

 

「そうか???BMの方が多くない?」

 

その瞬間、自分自身に雷に撃たれたかのような衝撃が走った。

 

自分はBMなんか一台も見えていなかったからだ。しかし友人は見えていた。友人に取ってハスラーよりBMの方が重要だからだろう。

 

で、今はハスラーはあまり見えなくなった。自分に取って重要ではなくなったのだ。

 

つまり、お釈迦様の言いたい事は

「じゃあ、この世にある全ての物が重要だったらどうする?そこに転がってる石とかさ。全てが"ハッキリと"見えるんじゃないの?」

 

え?うんちもですか?

 

お釈迦「そうだ」

 

お釈迦「そしてお前はまだ悟っていない」

 

うっ

5年後14

話しは5年後に戻る。

 

彼女はお酒とカラオケが好きだった。

歌は中森明菜とか小泉今日子

キョンキョンだ。

「好きな人にしか歌わない歌があるんだ」

ビールを飲みながら気持ち良く歌ってくれた。

俺の家から徒歩2分にある、ボーリングとビリヤードと卓球とカラオケが併設されてる店舗。

二人でそこには何十回と通った。

卓球とボウリングも何回かやって楽しい日々を過ごしていた。

部屋に戻ると彼女はたくさんの薬を広げ、

「何の薬?」

向精神薬睡眠薬とか安定剤とかかな」

眠る前に東京であった事や元彼の話をたくさん話してくれた。

この辺りの事はここでも書いている。

http://hauto3.hatenablog.com/entry/2017/10/22/132452

 

〜〜〜〜〜

 

W「難しいすねえ」

ミニチョコパン4個入りみたいな菓子パンを鞄から出して頬張りながらWが学校帰りに話しかけてくる。

難しいというのは学校で出された卒業課題だ。

 

「食べます?」

いや、ええわ。

ていうかいつもどこで買ってんねん、その高カロリー高糖質の菓子パン。どうせ玉出だろ。

 

Wの卒業課題は"先生"に評価されていた。鏡を使った映像コントだ。

鏡事故というタイトルだった。

交差点にある"カーブミラー"車で見ると自分達を守ってくれる存在が、自転車で見ると鏡との距離が近すぎて鏡には自分の自転車が他人の自転車とぶつかってくるという角度みたいに見えてしまい事故が起こるという、本末転倒を笑う映像作品だった。

 

自分は何をしよう。

とりあえず漫才のネタを書いてみて、先生にパソコンメールで台本を送った。

「やりたい事がわからん」

と言われ、また違うのを書いた。

「お前のやりたい事はなんなんや」

怒られた。

また違うの書くと、無言で首を振られた。

なんか滅茶苦茶腹立ってきて、15分で台本作ってメールしてやった。

 

「面白い」

 

と、だけ返事が返ってきた。

 

その台本は

 

漫才で

〇「はい、どうも〜〇〇ですー二人でやらしてもろてますけど」

✖️「あー挨拶ですね」

〇「最近どうですかー調子は?」

✖️「話しの取っ掛かりを作るための話を振ってきましたね」

〇「なんやねん」

✖️「ツッコミですね」

 

みたいな感じで、"相手の状態をいちいち指摘する奴"と話す漫才だった。

 

何が先生が良かったのかわからないが"やりたい事"は多分これやっていう確信はあった。

 

あと、自分で自信を持てた瞬間だった。

追い込まれていざとなれば15分でネタ作れるんやと。

というその自信を持たす為のライオンだったのか?

 

続く

 

2年後3

Oさんが引っ越す事になった。

牛丼屋の社員だった彼はある程度まとまったお金がなんとか出来たらしい。

日頃から引っ越ししたいとよく言っていた。

「部屋に帰りたくないんよなあ〜」

 

引っ越し日当日

Nと俺で引っ越しの手伝いに行く事になるのだが、その時に"帰りたくない"理由がわかった。

案の定、「地球上でこの部屋だけ天災が起きたのか!!?」と思う程めちゃくちゃな汚部屋だった。

二階トイレ無し風呂なし4畳半典型的なタコ部屋だ。

壁には世界的な名優"ジェームスディーン"の肖像画の額縁が飾られていたのだが、心なしか泣いてるように見えた。

 

Nと俺は顔を見合わせた。

何も喋らなくても「ズラかろう」という表情が汲み取れた。

部屋から二人で草食動物のようにコソコソで逃げようとすると、それを察したOさんが肉食動物のようなギラつきで

「じゃあ、まずヒラ3君とNちゃんはこのベッドを運んで」と逃げさせないように大声で圧を掛けて指示を出してきた。

それだけ言ってOさんはどこかに消えた。

 

二人だけ残された。

4畳半の大半を占拠してるデカイベッド。部屋とのアンバランスさ加減で目眩がしてきた。

そのベッドは木製で底に引き出しがあるタイプだった。

Nが「引き出しがあるから重いのか」と呟いて引き出しを引っ張るとティッシュを丸めた物をが二千個超くらいはあった。

おえ〜!!!きたねえ!!!

もう、この忌まわしい呪われたベッドを

窓から投げ捨てようぜという話になった。

二階だけど窓の下は芝生だから大丈夫だろうという事で、「せーの」で二人で窓から投げ捨てて、ついでにタンスも投げ捨ててたら、血相を変えたOさんが部屋に飛びこんできた。

「二人共なにやってんの!大事な家財道具よ!」

 

家"財"

 

窓から芝生のベッドを見るとティッシュを丸めた物が何個かゾロゾロと虫みたいに引き出しから這い出していた。

 

Oさんが軽トラを借りてきて

そんなこんなで怒られながらもなんとかベッドとタンスを積み込んだ。

軽トラの主はOさんの知り合いで、移動中Oさんに「なあ、金いつ返してくれるん?」とずっと言っていた。

 

引っ越しした先は天王寺だった。

螺旋階段のあるちょいお洒落なアパートで6畳風呂有りトイレ有りエアコン有りだ。

まさに地獄から天国だろう。

その天国に忌まわしきベッドを螺旋階段でみんなで運んだ。輪廻転生かこれ?

そしてOさんは部屋の真ん中にドーンと配置した。

 

引っ越し祝いに俺は前に自分で買って後悔していた"魔法のスティック"とネーミングがついたコードレスのめちゃくちゃ"吸わない"掃除機をプレゼントした。

Oさんは喜んでくれたが、何日か経って「ヒラ3君のくれた掃除機全然吸わないんだけど」

と言ってきたのは言うまでもない。

 

「あれ?Hzが合わないのかな」

と誤魔化した。

 

続く